医療現場は慢性的な人材不足に陥っています。医師や看護師の資格を取得する人数は一定数いますが、少子高齢化社会のため需要と供給のバランスが取れていないのです。
人材不足のため一人あたりの仕事量が増えてしまうことで、残業が増え離職率の増加へと繋がっています。
看護職員就業状況等実態調査結果によると、看護師として就業していない人の82.1%に子どもがいる結果が出ています。
離職中の看護師の中で、看護師として働きたいという回答が36.1%と最も多かったが、勤務形態としてはパート、アルバイトとして働きたいという回答が48%と最も多い結果となりました。
残業が増えることで子どもがいる家庭では特に両立が難しくなり、復帰したとしても時間の融通が効くパートとして勤務したいと考える傾向があるようです。
また、残業が増えることで肉体的にも精神的にも負担となり、ストレスを感じやすくなります。ストレスを感じている状態では、パフォーマンスも落ちてしまい、仕事に対する満足度も下がってしまうでしょう。その結果、患者への看護の質が低下するといった悪循環に陥ります。
勤務時間の増加による医師、看護師への負担増加は早急に対応しなくてはならない問題です。多様なニーズに合わせて勤務時間の融通が効くようにし、看護師の仕事を介護士や事務職員などに割り振り負担を分散させるなどの労働環境を整える対策が必要になっています。
定着率を上げるためには医師や看護師が長く働きたいと思えるような労働環境を作ることが大切となるでしょう。